梨の種類と代表的な品種を紹介!日本でとれるおいしい梨を食べよう

梨の種類

8月の下旬~9月にかけて旬を迎え、残暑に渇く喉を潤してくれる果物である梨。
梨には「シャリシャリした食感」「さわやかな甘さ」といったイメージがありますが、実は品種によって味や舌触りが異なり、さまざまな味わいを楽しむことができます。

今回は、おいしい梨選びのヒントとして、梨の種類や代表的な品種、種類ごとの保存方法などについてご紹介します。

日本でとれる梨は大きく3種類

日本で栽培されている梨は、大きく「和梨」「西洋梨」「中国梨」の3種類に分けられます。

日本で最も多く栽培されている和梨は、50種類以上あるといわれており、中でも生産量が多い品種は「幸水」と「豊水」です。

西洋梨は「洋梨」としても販売されているもの。名前からして輸入物のフルーツをイメージしますが、実は多くが日本産です。
種類もひとつではなく、日本で最も多く収穫されているのは「ラ・フランス」になります。

中国由来の中国梨は、国内での栽培がそれほど盛んではありません。生食のほか、加工品としても流通しているものの、そもそもの栽培量が少ないため、見かける機会は少ないでしょう。
そのため、この記事では、日本で広く親しまれる和梨と西洋梨について紹介していきます。

和梨の特徴と代表的な品種

「梨」と聞いてほとんどの人の頭に浮かぶであろう、シャキシャキとした食感の梨が和梨です。

和梨には、外皮が赤みがかった黄色で強い甘味のある「赤梨」、緑がかった黄色ですっきりした甘さを感じる「青梨」があり、旬は8月頃〜10月頃まで続きます。

東北から九州まで広く栽培されていますが、主要な産地は千葉県、茨城県、栃木県、福島県、鳥取県。
2023年は、この5県だけで全国の出荷量の4割以上を占めています(※1)。

和梨の代表的な品種とその特徴は、下記のとおりです。

※1 農林水産省「令和5年産日本なし、ぶどうの結果樹面積、収穫量及び出荷量

幸水(こうすい)

幸水

甘味:★★★☆☆

幸水は、甘い果肉が人気の赤梨で、2021年の時点で、日本で最も多く収穫されている梨です。
比較的早い7月頃から出回り始め、8月のお盆あたりをピークとして9月頃まで楽しめます。
梨の生産量随一の千葉県では、栽培されている梨のおよそ5割を幸水が占めています。

豊水(ほうすい)

豊水

甘味:★★☆☆☆

2021年時点で、幸水に次いで生産量が多いのが豊水。
幸水より少し大ぶりですが、外見はよく似ています。
甘味の中に程良い酸味があり、水分を多く含むのが特徴。
千葉県、福島県、栃木県、茨城県あたりでよく収穫され、幸水より少し遅い8月頃~9月頃まで旬が続きます。

新高(にいたか)

新高

甘味:★★★☆☆

新高は、大きくてやわらかい実の中に上品な甘さを秘めた、酸味が少ない赤梨。
熊本県を筆頭に、千葉県や新潟県の生産量が多く、10月に最盛期を迎えます。
保存性が高く、贈答品としても好まれる梨です。

新甘泉(しんかんせん)

新甘泉

甘味:★★★☆☆

新甘泉は鳥取県のオリジナル品種で、2008年に品種登録された新しめの赤梨。
鳥取県でしか収穫されない上、旬は8月下旬~9月上旬とかなり短いため、流通量は限られます。
糖度は13~14度と梨の中でも高め(※2)で酸味が少なく、梨に芳醇な甘味を求める人におすすめ。

※2 和梨の糖度平均は10度程度といわれている。

二十世紀

二十世紀

甘味:★☆☆☆☆

9月に旬を迎える、青梨の代表的な品種である二十世紀。
鳥取県が国内栽培量の約3割を占め、県を代表する果物として特産品にもなっています。
シャキシャキした食感が特徴的で、甘味と酸味のバランスが良く、香りも濃厚です。

ゴールド二十世紀

甘味:★☆☆☆☆

ゴールド二十世紀は、二十世紀を改良して生まれた梨。
二十世紀よりも病気に強く、栽培しやすい品種です。
鳥取県で最も多く栽培されており、8月頃~10月頃までが旬。
味わいは二十世紀と大きく変わらず、ジューシーでやわらかめの食感です。

あきづき

あきづき

甘味:★★★★☆

あきづきは、新高と豊水、さらに幸水を交配させた品種。
親である豊水と糖度は大きく変わりませんが、酸味がかなり少ないため、より甘味を強く感じられるのが特徴です。
千葉県や熊本県が主な産地で、9月上旬〜下旬に収穫、出荷されます。

南水(なんすい)

甘味:★★★★☆

シェアのほとんどを長野県が占める赤梨の南水は、9月下旬~10月上旬頃が旬となっています。
梨の中でもトップクラスの糖度を誇り、果汁が豊富。
室温でも1ヵ月程度OKという保存性の高さも魅力で、シャリシャリした食感を長く味わえます。

にっこり

にっこり

甘味:★★★☆☆

新高と豊水を掛け合わせた品種で、栃木県の特産品であるにっこり。
実が非常に大きく、中には1kgを超えるものもあります。
10月中旬~11月頃に収穫される晩生種で、しっかり熟した濃厚な甘味が魅力です。

新興(しんこう)

新興

甘味:★★☆☆☆

新興は梨の中でも最も遅い時期に収穫される晩生種の赤梨で、10月頃に旬を迎え、翌年まで出荷されます。
新潟県を筆頭に、大分県や鳥取県などが主な産地です。
果肉がやわらかく、甘味と酸味のバランスも◎。

西洋梨の特徴と代表的な品種

中国を起源とする、ヨーロッパ原産の西洋梨。

世界には約4,000種の西洋梨の品種があるといわれていますが、日本で栽培されているのはそのうち20種類程で、ほとんどは9月下旬頃から収穫が始まります。

形は小さい軸からお尻にかけてふくらむひょうたん型。
実はやわらかくとろけるような舌触りで、和梨とはまったく別の果物のように感じられるかもしれません。

2022年度の調査によると、西洋梨の出荷量が最も多いのは山形県で、次いで新潟県、青森県、長野県となっています(※3)。

西洋梨の代表的な品種とその特徴は、下記のとおり。全体的に、和梨よりも糖度は高めといえるでしょう。

※3 農林水産省「令和4年産西洋なし、かき、くりの結果樹面積、収穫量及び出荷量

ラ・フランス

ラ・フランス

甘味:★★★★☆

西洋梨といえばラ・フランスというほど知名度が高く、日本でとれる西洋梨の中でも生産量が最も多くなっています。
繊細で栽培難度が高く、食べ頃が見極めにくいことから、今は日本でしか栽培されていません。
山形県を主要産地として、青森県や長野県でも栽培されており、10月中旬頃~12月頃までが旬。
実はつるんとしていてやわらかく、とろけるような食感で、強い甘味を感じることができます。

オーロラ

オーロラ

甘味:★★★★☆

オーロラは山形県で主に栽培され、西洋梨の中で最も早く、8月中旬頃から出荷が始まります。
果肉はラ・フランスに近いしっとり滑らかな食感で、外皮が緑色から黄色に変わるタイミングが食べ頃。
生産量が少ない上に熟しやすいことから旬が短く、希少価値は高めです。

バートレット

バートレット

甘味:★★☆☆☆

青森県や北海道を主要産地として、8月末~9月初旬の短期間に旬を迎えるバートレット。
やや小ぶりですが果肉が滑らかで、甘味と酸味のバランスが抜群。
収穫後、1~3週間程度追熟させると甘い香りが強くなり、食べ頃となります。

ル・レクチェ

ル・レクチェ

甘味:★★★★★

フランス原産のル・レクチェは、糖度16度以上と濃厚な甘さが人気の品種。
病気に弱いため、安定生産が難しく、さらに追熟期間も長いことから、生産には細やかな気配りが欠かせません。
現在、日本での栽培は新潟県に集中しており、長い追熟期間を経て11月下旬~12月下旬の1ヵ月程度しか出回らないことから、貴重な西洋梨といえます。

和梨・西洋梨のおすすめの保存方法

梨をおいしく食べるためには、保存方法も大切。
和梨と西洋梨とでは、おすすめの保存の仕方が異なりますので、それぞれ解説します。

和梨の保存方法

和梨は追熟しないため、常温で保存すると果肉が崩れて水分が失われます。

届いたらすぐに段ボールを開け、ペーパータオルで1つずつ包みましょう。
さらにラップで包んだら、まとめてポリ袋に入れて冷蔵保存します。

鮮度をより長く保ち、全体に甘味を行き渡らせるために、軸(ヘタ)の部分が下になるように置くことをおすすめします。

西洋梨の保存方法

西洋梨は追熟する果物です。
届いた時点で熟していないものは、常温で保存してください。

新聞紙などで1つずつ包み、風通しの良い場所に置いて熟すのを待ちます。
早く食べたいときは、りんごといっしょにポリ袋に入れておくと追熟が進みますよ。

一方、完熟の状態で届いた場合は、あまり日持ちしません。
ラップで包んでポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存して、なるべく早く食べきるようにしてください。

全国のこだわりのおいしい梨をご自宅で

日本で収穫される梨は、和梨、西洋梨ともにさまざまな品種があり、それぞれに異なる味わいがあります。
梨のシーズンは、ここでご紹介した品種を参考に、気になる梨を取り寄せてみるのもおすすめです。

めいぶつチョイスでは、全国各地で作られているおいしい梨を、産地直送でお届けしています。
育てるのが難しい繊細な品種も、各地の生産者が丹精込めて栽培し、最もおいしいタイミングでお客様に召し上がっていただけるよう努力していますので、ぜひお試しください。
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